紫外線遮蔽剤や赤外線遮蔽剤を含有した塗膜を形成する塗装方法。
フミンコーティングは、ガラス面に赤外線や紫外線を吸収・カットする伝導性金属酸化物をスプレーガンで斑なく透明に塗膜を形成する特許技術です。
暑い夏場は、外からの赤外線(太陽熱)を吸収・カットするため室温の上昇を抑えます。
また、冬は室温の熱が逃げにくいため暖かく、結露も抑制するという優れた特性を持っています。
地球温暖化防止とコスト削減に貢献する環境にやさしい商品です。
紫外線約90%カット
紫外線を90%カットし、お肌の健康を守ります。
また、日焼けによる室内の変色・劣化も防ぎます。
可視光線透過率約80%程度確保
可視光線透過性に優れているため、室外の景観や室内の明るさにほとんど影響を与えません。
赤外線約70%カット
暖房費の節約
寒い冬は、暖房していても窓際は冷放射のため冷えを感じます。
フミンコーティングを施したガラスは、室内の熱(遠赤外線)を吸収するため冷放射を解消します。
害虫飛来抑制
ガ・アブ・ハチ・カメムシなどの複眼昆虫は、蛍光灯の紫外線に集まる習性があるため、紫外線をカットすることで寄りにくくなります。
耐久年数約10年
フミンコーティングは、ガラスと同じ膨張率のため、熱割れしにくい特性と高い硬度で傷つきにくく、耐久年数約10年。
フィルムのような張替えが不要です。
結露対策も万全
下の実験写真は、北向き、隣同士の窓で右側が施工したガラス。室内温度が15℃、外気温0℃で施工済みのガラスは、くもる程度で水滴がたれません。この結露水は雑菌を繁殖させたりしますので防菌効果にも優れています。
施工前
施工後
施工が簡単
施工風景
フィルムが貼れない金網入りガラス、曲面ガラス、巨大ガラス、すりガラス等、さらには屋内・屋外、どちらにも施工が可能です。
「無理」と言われたアイデアが世界中の特許に
農業閑散期のある年の冬場、ガラスが結露していることに気付きます。結露は室外と室内の温度差が15℃以上になることで起こります。だったらガラスを冷たくしなければ結露は防げるのではないか。もうひとつヒントになったのは携帯電話でした。携帯電話のタッチパネルは赤外線を吸収し、スイッチが入ります。もしそれがガラスに塗れたら…。これがフミンコーティング開発への一歩でした。
市販の溶剤を電話ボックスのガラス面にスポンジで塗って室内の温度調整をするという手法は従来からありましたが、塗膜ムラが多く、施工性が悪いために普及は進みませんでした。では、これをスプレーでやってみてはどうだろう。
塗膜の質を高めるには微細な霧状で吹き付けるのが一般的ですが、それでは幾度もの重ね塗りが必要となり、熟練した技術者でも曇りガラスになってしまうおそれがあります。かといって吹き付けるノズルの口径を大きくすれば液ダレのおそれがある。では、溶剤を包み込む温風ブロアーが垂れる前に乾燥させればきれいな塗膜を形成できるのではないか。これには温風の適温、強さがカギとなりました。はじめは失敗続き。溶剤の配合や送風の実験を繰り返し、試行錯誤の末にようやく最適値を見つけることができました。
あるとき、福島県の関係者から、塗布面に虹彩現象やムラがないのを「一体どうやったんですか? すごい!」と驚かれ、発明の重要性に気付いて特許申請をしたものの無情にも拒絶通知が届きます。諦めかけたときに、当時の東北経済産業局の特許室長から「そういうときには特許庁の審査官と面談して補正する方法がある」とアドバイスいただき、面談を経て特許査定が降りたのが2007年1月のことでした。
低コストで塗るだけで体感温度が劇的に変化
スプレーガンの穴径や噴射圧力などで特許を取得後、全国各地の展示会で出展するようになると顧客の反応は一変。既存のガラスに塗るだけで体感温度は劇的に変化し、低コストで資源の活用にもなる―。当社独自のコーティング技術、<フミンコーティング>は大手ガラスメーカーや塗料メーカー、商社からも商談の申し込みがあり、首都圏での商談も始まりました。フミンコーティングは、環境省の「2007年度環境技術実証モデル事業」のヒートアイランド対策技術分野のひとつにも選ばれ、2008年3月には実証データも作成されました。
内閣府が海外向けに発行しているWebマガジン「Highlighting Japan」や経産省の「Japan SPOTLIGHT」、日経ビジネス、日経アーキテクチュア、農業新聞、TV番組ではNHKの「おはよう日本」「クローズアップ東北」をはじめ、「世界は今―JETROのGlobal Eye」でも当社の技術は大きく紹介され、海外からの視察、代理店契約の問い合わせが増えました。
建設ラッシュのアジアで
2007年7月にはシンガポールに現地法人FUMINN PTE. Ltdを設置してアジア地区の拠点としました。いまでは中国、韓国、台湾、マレーシア、インドネシアの企業からもライセンスや代理店契約の問い合わせがきています。地震のない諸外国では日本以上高層ビルが多く、温暖化につながるヒートアイランド現象は日本以上に切実な問題です。好調な経済成長で建設ラッシュが続く東南アジア、中近東では、日本以上に環境ビジネス今後の大幅な需要増が見込まれています。
新規事業創出、雇用増にも期待
当社は技術指導が主で、製造を委託している大手塗料メーカーから購入したフミンコーティングに特許の使用料を上乗せした金額で代理店に販売しています。市販のものを改良したスプレーを使うので誰にでも簡単に塗装ができるということもフミンコーティングの大きな特徴です。現在、国内に110社あまりと代理店契約を結んでいますが、代理店の中には障害を持つ人が塗装を行っているケースもあり、障害者の自立支援、雇用の増加につながることも期待できます。
フミンコーティングのさらなる可能性
フミンコーティングの使用用途は単にガラスにとどまりません。ポリカーボネートやビニールハウス、電気自動車の窓への転用へも期待できます。従来の窓ガラスに代わって、塗装した超軽量の窓ポリカーボネートが主流になる時代が来るかもしれません。コーティング技術から次世代エネルギーの地殻変動はすでに始まっているのです。
フミンコーティング
スプレーガン施工によりどのようなガラスでも施工可能。
オープン価格